グループホーム　さら

年の瀬が迫り、今日は庭木の剪定に庭師さんが来てくれました

先日までのポカポカ陽気とうってかわり、今日は猛烈に寒かった
そんな中、若い職人さんがテキパキと枝を処理していきます。

「やっぱり職人だねぇ。あんな高い梯子に登って怖くないんだから」

「そうだね。やっぱり餅は餅屋っていうけど本当だよ。私の知り合いの人はお金をウンと持ってるのに毎回自分で枝切りするんだよ。そしたら突風で梯子が倒れて首を打っちゃってね・・・。えらい怪我をしたけど、それを考えれば安いもんなんだよ」

などと皆さまが話をされていると、
一人の男性利用者様が寒い中すっとベランダに出て行かれました。

なかなか戻ってこないので見に行くと、寒空のした作業をする職人さんをじっーと眺めていたのです。



「大変だいなぁ。でも、いい腕してるよ。見ればわかる。はぁ、伊達に見てるんじゃねえからよ。見てればだいたい分かるんさ。本当だよ。若いのに大したもんだ」

としみじみとつぶやかれていました。

実はこの方も若い頃は建築関係の職人をしていて、人を何人も使う親方をされていたのです。
梯子に登って高所で作業をする事もしょっちゅうだったとか。

その為、昔を思い出し、何か感じ入るものがあったのかもしれません



しばし神妙な面持ちでじっと作業をするのを見守られていました。

この方、普段から周囲の人の動きや表情をよくご覧になっているのですが、しかしあまり多くは語らず
「はあ、いいんだ。人には人の考えがある」
と静かに見守られる事が多いのです。

でもときどき、すごく含蓄に富んだアドバイスをくれたり、ちょっとした事に感激して男泣きをされたりと、静かな中にも、いろいろな事を感じ考えておられるのではないかと思っていました。

この時も寒い空の下一生懸命作業をする若い職人さんの背中に
何を見て何を感じていたのか、私も想像をめぐらせておりました。

そして・・・

私自身がまだまだ修行が足りないとの結論にいきつきました・・・